Analysis 金融リテラシー

2021年のパフォーマンスランキング(途中経過)

2021年のパフォーマンスランキング

2021年も残りあと1ヶ月ばかりとなりました。テーパリング、コロナ、オリンピックと色々ありましたが、世界の金融市場の動きを代表的なインデックスを使って確認してみましょう。データは全てYahoo FinanceのAPIから取り出しています。

途中結果

ユニバースは私が恣意的に選定しています。株式指数と商品はYFに用意されているもの中から、また債券は米国債券ETFの中から、それぞれ代表的なものを選定しました。株式指数や債券ETFは価格リターンのみで配当は考慮していない(と思われる)ので、正確ではありません。ご注意ください。集計期間は昨年末から直近までとしています。

ランキングは情報係数で順位付けしています。

暫定トップはカナダ(GSPTSE)!カナダはコロナからいち早く脱却した先進国で、経済は好調、金融政策はすでに利上げサイクルに入っています。次いでフランス(FCHI)。フランスは昨年は成績が悪かったのですが、汚名返上、今年はEUの中でもドイツを抑え今のところトップ。次期オリンピックを期待した動きが織り込まれているのかもしれません。そして3位は米国のSP500でした(GSPC)異色はインド(BSESN)でしょうか。米国債券の中ではインフレ連動債(TIP)がインフレを背景に良好なパフォーマンスでした。

一方冴えない指数は、ブラジル(BVSP)、マレーシア(KLSE)、香港(HSI)などです。中国経済と結びつきの深い国はいまいちでした。恒大問題はかつて日本が経験した不良債権問題と同様、あるいはそれ以上の深刻な経済問題に発展する恐れもあり、中国発のデフレ輸出懸念は根強いようです。

伝統的な米国債券も冴えませんでした(AGG)。次の一手は利上げですから、それを先取りして下落しました。金融政策は「いつから」「いつまで」「どこまで」を軸に考えるとわかりやすいです。「いつから」はすでに織り込まれましたので「いつまで」と「どこまで」を織り込む局面ですね。

そのほかでは原油価格(CL=F)や原油価格の値上がり恩恵を受けたロシア(IMOEX.ME)は好調です。

見通し、ほったらかし、そして構造的α

まるっと今年のパフォーマンス途中経過をみてきました。いかがでしたでしょうか。振り返るだけでも意外感がありますね。

特にインド。来年の今頃、ニンマリさせてくれる投資対象を今見つけられれば良いのですが、これがなかなか難しいものです。1年前にインドを予想できた人はどれくらいいるものなのでしょうか・・・

「知ったらしまい」という言葉があります。自分だけしか知らない独占的な秘密のネタでも自分が知った途端大方の人がもう知っているから、独占的な秘密のネタでもなんでもない、という格言です。株価には全ての情報が織り込まれるのかもしれません。一方、「知ったらしまい」にならないネタはどうでしょうか。荒唐無稽すぎて誰からも相手にされません。「突飛な」見通しを立てること、その見通しに沿ってポジションを作ること、アゲンストになっても維持することは胆力が問われます。

どうせ外れるなら予想するだけ無駄、見通しなんて無用の長物という方にはそもそも予想しない「ほったらかし投資」もありですね。

私の場合、上の二つを混ぜながら、高い角度でリターンが得られる仕組みになっている金融市場の構造的αの発見に精を出しています。

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