
レバレッジ型投信の魅力といえば爆発的な値上がりですね。一方で値下がりインパクトも大きいです。4回に分けてレバレッジ型投信をまとめてみました。今回はその第一回目。気になるレバレッジ投信を購入する前に、まずは一般的なレバレッジについて仕組み、メリット・デメリットを確認しておきましょう。
一般的なレバレッジには3つの特徴
投信に限らず一般的なレバレッジには3つの特徴があります。
特徴1 調達した資金を運用します
資金運用とは調達した資金を運用することです。運用対象が有価証券(株、債券、投信など)の場合、借金して株を買うの?と否定的な声が上がりやすいのですが、マイホームを買う時も一緒です。一部は頭金として自分で用立てしますが、残りは銀行から借金します。企業は銀行から資金調達して設備投資で運用しますし、銀行は預金で資金調達して貸出金で運用します。個人、企業、金融機関によって投資対象は様々ですが、資金調達して運用する、という構図はどの主体にも共通する資金運用手法です。
特徴2 借入金には金利がかかります
借りたお金に対しては金利がかかります。個人投資家が自分のお金で運用するときは、お金を0%で借りたと考えます。
特徴3 自己資本が食いつぶされたらゲームオーバーです
投資資産が値下がりし自己資本を食いつぶしたらゲームオーバーです。ゲームを継続したいなら、代用有価証券か現金を自己資本に追加投入しなければなりません。レバレッジ3倍のケースでは自己資本1に対して投資資産3となります。投資資産が33%値下がりしたら自己資本が無くなってしまいます。

レバレッジ投信のメリット
レバレッジは借入ですので、通常は借入金利を支払わねばなりません。住宅ローンや株の信用取引はいずれもレバレッジのため、調達資金に対して金利を支払う必要があります。
ところがレバレッジ投信の場合は金利を払う必要がありません。投信なので信託報酬がかかりますが、レバレッジ投信の信託報酬率だけ特別高いわけではありません。投信によって信託報酬率は異なりますが、2%はかからないのではないでしょうか。安価なコストで資金調達し、レバレッジをかけた有価証券投資が可能になります。投資信託なので少額からレバレッジ投信を購入できます。レバレッジ投信の投資対象は指数が多く、個別銘柄で勝負したい人にとっては物足りない面があるかもしれません。
ではレバレッジ投信を、同じくレバレッジを使う住宅ローンと信用取引で比較してみましょう。
マイホームとレバレッジ投信を同じ土俵で考えるのもどうかとは思いますが、レバレッジという枠組みは共通なので比較してみました。まず住宅ローン借入を受けるためにはまず銀行審査を通過しなければなりません。銀行審査が通った後には晴れて不動産が手に入りますが、登記費用、収入印紙、税金などの様々な諸経費がかかります。取得代金の5%くらいはかかるのではないでしょうか。。。住宅ローンは土地や物件が担保になっているので金利は低くなりやすいです。自己資金次第ですがフラット35年で0.XX%台の破格の金利も提供されており、信託報酬率よりも低い借入金利は珍しくないでしょう。
信用取引ではどうでしょうか。借入金利は信託報酬率より少し高く設定されているようです。それでも少額資金で自分の好きな銘柄を売買できることが信用取引の大きな魅力です。戦略が上手くけば御の字です!しかし残念ながら外れてしまった場合は、投資資産が値下がりし自己資本が痛んできます。値下がりが続くと、証券会社によってルールが異なりますが、ある時点で追証を求められます。拒否すると強制ロスカットになってしまいます。為替証拠金取引(FX取引)も同様です。追証や強制ロスカットは個人投資家を保護する自動安全弁ですが、ポジションを自分の意志で動かせなくなることは信用取引の使い勝手を悪くします。レバレッジ投信には追証はありませんので、自分の意志で損切りできます。
レバレッジ投信のメリット
1.低コスト、2.少額から投資可能、3.審査なし、4.追証なし、5.強制ロスカットなし
レバレッジ投信のデメリット
次にレバレッジ投信のデメリットをみてみましょう。
株価が一日で大きく値下がりした時でも純資産がマイナスにならないような仕組みになっていることが重要です。2倍レバレッジなら、一日の値下がり率が50%を超えたら投信が成り立ちません。3倍レバレッジでは一日の最大値下がり許容率は34%です。最悪のケースになっても純資産がマイナスにはならないように商品設計されているはずですが、念のため、調べておいた方が良いでしょう。これ以外に決定的なデメリットは見当たりません。投資対象が指数やテーマなのできめ細かい運用をしたい方には合わないこと、信託期間が設定されている投信はいずれ償還されること、ぐらいでしょうか。
値動きが大きくなるので、レベレッジの本質をよく理解した上でどのように活用するのか、要は投資家次第だと思います。
レバレッジ投信のデメリット
決定的なデメリットはない。念のため、暴落時でも純資産がマイナスにならない仕組みが備わっているかどうか確認しておきましょう。あとは使い方次第です。