最近の株価指数の動きを類型化
移動平均線の中でも200日移動平均線は多くの投資家がトレンドの有効性を確認する指標として愛用する有名な指標です。世界の株式指数を「現値」と「200日移動平均線」との位置関係で比較してみましょう。現値<200日(左)、現値=200日(中)、現値>200日(右)です。指数選択や判断などはかなり恣意的になっている点、ご容赦ください。なおグラフは12月2日まで、緑線は過去200日間の最高値、赤線は最安値です。
左グループが調整している原因はオミクロンとは無関係で、個別要因のように見えます。韓国、マレーシアもこのグループ。総じてアジア諸国が多いのが特徴です。アジア諸国に共通する別の要因があるのかもしれません。
中グループは200日線が意識されているグループです。正念場といったところでしょうか。攻防戦を繰り広げている国や指数が案外多いのが今の世界の株式市場です。イギリス、オーストラリア、ロシアなどが当てはまります。
右グループも調整中ですが、個別のプラス要因で踏みとどまっているように見えます。ハイテク系が目立ちます。
投資判断には個別要因とマーケットの共通要因の二つについて特定と評価が必要です。ただ特定も評価も主観が入ってしまうので、「胡散臭さ」から逃れることはできませんね。万人受けするコメンテーターとは、胡散臭さを与えずに説得的な議論が展開できる人なのでしょう。
VIXの見方・使い方
そのVIXは今週今年2回目となる30%台へ上昇し、VIX先物カーブはほぼフラットになりました。原因はオミクロンです。今年の平均値は19.5%、通常のカーブ形状は右肩上がりのため、今のマーケットは投資家がかなり退いている状態です。カーブ形状が右肩下がりではないため非常事態モードではありません。
投資家は一層ドン引きモードになるのか?それとも警戒姿勢を緩めるのか?
残念ながらVIXも200日移動平均線も答えを教えてくれません。しかし参加者は既にある程度の悪材料を既に織り込んでいます。日和ってぶん投げするよりは、時間軸の長さという個人投資家の最大の強みを生かして積み増した方が得策に思えます。