投信を保有している間のキャッシュバック・ポイントバック
多くのネット証券が投資信託のキャッシュバック・ポイントバックを行なっています。キャッシュバック・ポイントバックは大きく分けて、投資信託を「購入する時」と「保有している間」の二つのタイミングで発生します。今回は保有している間にもらえる投資家還元サービスを見ることにしました。
取り上げた証券会社は、松井証券、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券、マネックス証券です。このうち現金キャッシュバックは松井証券だけ。他4社はT-Pointなどのポイントバックです。

アクティブ投信なら松井証券
驚異的な還元は松井証券です。松井証券は信託報酬のうち販売会社の取り分として0.3%だけとり、それ以上の残りの信託報酬は全て投資家に還元しています。この還元方法では信託報酬(のうち販売会社取り分)が比較的高いファンドが自然と還元対象に上がりやすくなります。
例として「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」について、投資額を500万円として検証してみましょう。試算では圧倒的に松井証券が優位になることが確認できました。販売会社取り分は0.75%(税抜き)ですから、投資家へのキャッシュバックはダントツの0.45%です!
これからこのファンドを買おうとする方は松井証券一択です。松井証券以外で保有していらっしゃる方がいれば、松井証券へ移管した方が間違いなく投資効率が上がります。このファンドは分配金目的で投資している人が多そうですので、毎月の分配金に加えて信託報酬の一部が現金で支払われる、となると大変魅力的になるでしょう。
信託報酬の高いファンドは設定時期が古いファンドや高分配ファンドといったアクティブファンドが多く、パッシブファンドに関心が強い現代ではなかなか受け入れられにくくなりました。しかし運用会社は知恵を働かせ工夫を凝らし、様々なスキームのファンドを世に送り出しています。スマートβ(テーマ型)ファンド(ESG、脱炭素、EVなど)やレバレッジ型ファンドなどのアクティブファンドに魅力や将来性を感じる投資家も数多くいらっしゃると思います。魅力的なアクティブファンドに出会えたなら、松井証券で保有しましょう!運用効率が確実に上がります。
またすでに魅力的なアクティブファンドを保有している方は移管することもできます。他社からの移管費用(1本あたり税抜き3000円程度)は松井証券が負担してくれます。これもありがたい話ですね。

パッシブ投信や円債投信の還元率は横並び
他方、松井証券はパッシブ系や円債ファンドなど低コストファンドが苦手です。この点でSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券は「指定銘柄」という区分を作り、低コストファンドでもポイントバックを可能にする仕組みで対応しています。こちらも投資家目線にたったビジネスモデルですね。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で各社のポイントバックを比較してみました。SBI証券が還元トップになりました。

ただ一般に低コスト投信は信託報酬率が低いので還元率も低くなってしまい、還元額に大きな違いが出にくいですね。気になる方は比較しておいた方が良いでしょう。各社の指定銘柄のリンクや還元サービス概要を念のため貼っておきます。参考にしてください。
実は私も松井証券に移管する手続きを取り始めました!