投資信託 金融リテラシー

投信を選ぶ時に外せないポイント(債券・株式・商品)

6000本から選ぶ・・・

投資信託協会によると、2021年9月現在日本には5983本の公募投資信託が販売されています。公募投資信託のうち、いつでも購入と売却が可能な「追加型」は、株式投信が5709本、公社債投信(約款で株式の組み入れが認められていない)が87本あります。我々個人投資家は約6000本のユニバースの中からファンドを選ばねばならない難しさがあります。

一方、日本でおそらく取り扱いファンド本数が最も多い楽天証券では2670本、次いでSBI証券では2629本(いずれも11/5)のファンドが販売されています。両販売会社と投資家目線に立ってファンドのサーチ機能を用意してくれています。ただ、まだまだ使い勝手に改善の余地があると感じるところもあります。

改善が必要と感じる点は、為替リスクについてのサーチ機能が甘いところです。特に外国債券に投資する投信には、為替リスクをヘッジした商品も販売されています。為替ヘッジされた外国債券ファンドとそうでないファンドを、同じ外国債券というカテゴリーで取り扱うのはオカシイですので、「為替ヘッジあり、為替ヘッジなし」というキーを作ってほしいと切に願います。

債券ファンドを選ぶ時の注意点

債券ファンドを選ぶ時にはもう一つ重要なポイントがあります。

皆さんはファンドを選ぶ時に何を見ますか?投資対象、運用会社、信託報酬、販売手数料、分配金、などあると思いますが、チャートを見ない方はいないでしょう。そして右肩上がりになっていると安心されると思います。

債券=安全、右肩上がり=今後も右肩上がりになりそう・・・

債券のファンドに限って言えば、基準価額が右肩上がりで上昇しているファンドほど、中身をよく吟味してください。なぜなら「出涸らし(でがらし)」、かもしれないので。

債券は償還時の最大価値が100円にしかならない金融商品です。ざっくり言うと、利回りが高い債券は現在価格が安いため償還価格100円に向かうスピードは早くなります。一方、現在価格が高い債券は償還価格100円に向かうスピードは遅くなります。これまで勢いよく値上がりしてきた債券(為替の影響は除く)があるとして、その債券は以前は利回りは高かったはずです。しかし今となってはもう出涸らし状態になっている可能性があります。個別の債券と複数の債券を集めたファンドを比較することはできませんが、出涸らしだけの債券で構成されているポートフォリオの可能性があります。

このほかには、最低限、利回り(外債ファンドならヘッジ後利回り)と信託報酬だけは調べておきましょう。出涸らし債券だけのポートフォリオではリターンが信託報酬によってマイナスになってしまう恐れがあります。今後はヘッジコストが上昇する可能性が非常に高いのでヘッジコスト後の利回りには目を光らせておく必要があります。

テーパリングを決めたFRBは今後利上げをしてゆくでしょう。日米金利差は拡大し、ヘッジコストは間違いなく上昇します。

ユーロはどうかと言うと、各国によって思惑があり必ずしも一枚岩ではなさそうです。利上げは少なくとも米国よりは後でしょう。そう言う意味ではヘッジコストに過度に警戒する必要はなさそうですが、元々の利回りが低いので・・・・ここをなんとかしないと投資妙味がありません。国債以外のスプレッド物が良いかもしれませんね。

株式ファンドを選ぶ時の注意点

株式投信を選ぶ時の注意点は、高値掴みをしない事、これに限ります。割高で買わない。

積立のように買付タイミングが平準化されているものは長期的に見れば問題ないでしょう。注意するのは時流にあったテーマ型ファンドに投資する時です。

なぜなら、株価はテーマを十分織り込んでいる、かもしれないので。

時流に乗ったテーマなので、聞こえの良い話しか耳にはいりません。目に入りません。そのテーマの賞味期限や鮮度はもちろん、どのくらい株価が織り込んでいるのか、などに注意をしてください。

なお、純資産の小さいファンドについて、株式ファンドの場合は私はさほど気にしません。確かに少額ファンドは、人気薄、運用会社や販売会社の力の入れ具合が違う、のほか、信託報酬以外に徴収される定額コスト負担が大きくなることがデメリット、と考えられています。事実です。一方で大きいファンドはどうかと言うと、小回りが効かない、大胆なアロケーション変更をした時の売買コスト、などのデメリットがあルためです。

コモディティファンドを選ぶ時の注意点

原油のトピックでも触れましたが、コモディティには、

  • 相場の方向性
  • 先物カーブ形状
  • 先物カーブ形状の見通し

がパフォーマンスを大きく左右します。先物のどの限月にどれだけウェートを置いているのか、など債券や株のファンドとは別の角度から評価する必要があります。

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